ふくまるトップ > 韓流特集 > ふくまる注目韓流スター「ウォンビン」
-5年ぶりとなる映画出演作に『母なる証明』を選んだ理由をおしえてください。
ウォンビン/とにかくシナリオが全体的に素晴らしかったですし、ポン・ジュノ監督もキム・ヘジャさんも、いつかご一緒したいと思っていた方たちだったからです。それにトジュンのような役は俳優だったら一度はやってみたいキャラクターなので、出演を決めました。
-トジュンは子どものまま育ったような純粋な青年という難役でしたね。
ウォンビン/トジュンを演じるうえで、たしかにプレッシャーは感じていました。難しい役ですし、ポン・ジュノ監督やキム・ヘジャさんの足を引っ張ったらどうしようという気持ちがあったからです。でも挑戦する意味のある役だとわかっていたので、プレッシャーよりもやってみたいという気持ちのほうが強かったですね。
-トジュンが持つ並外れた純粋さを、どのように作り上げていったのでしょうか?
ウォンビン/以前は僕のなかにも純粋さはあったかもしれませんが、今はどうかわかりません(笑)。けれども今もどこかに残っているはずだと考えて、それを少しずつ引き出し、大きくして演じました。重要なことはすべて脚本に書かれていたので、僕はそれを忠実に演じただけです。
-監督はウォンビンさんのなかに、トジュンのような純粋さを見出すとともに、負けず嫌いな一面も感じたそうです。
ウォンビン/(監督も)お互いに負けず嫌いだと思いますよ(笑)
-また、田舎の風景のなかに自然と溶け込んでいる姿を見て、これまでのウォンビンさんとは違った印象を受けました。
ウォンビン/田舎の風景に馴染むために、努力しなければいけませんでした(笑)。というのは冗談で、僕が生まれた場所も山や野原もあるようなところなんです。だからきっと相性がよかったんでしょうね。撮影した場所は、韓国の田舎によくある風景です。
-ポン・ジュノ監督の演出で特に印象に残っていることは?
ウォンビン/監督は一部分ではなくて全体を見ながら、しかも俳優の考えが及ばないようなところまで見ている。どんなに小さな瞬間も見過ごすことなくチェックをしてくれるので、すべてのシーンのディレクションから繊細な感じを受けました。
-ウォンビンさんがアイデアを出したシーンもあったとか?
ウォンビン/ネタバレになってしまうので細かくは話しませんが、いくつかありました。
-カンヌ映画祭の上映中、キム・ヘジャさんと手をとりあっていたと聞きました。
ウォンビン/はい。キム・ヘジャさんはどうだったかわからないのですが、僕はカンヌではじめて完成作を最初から最後まで通して観たんです。だから果たしてどんな映画が出来上がっているのかととても緊張してしまって、キム・ヘジャさんの手を握っていたんです。あのときはまさに〝お母さん〟のような感じでしたね。
-この映画では母性の美しさだけではなく、闇の部分も描かれていますね。
ウォンビン/ネタバレになってしまうので細かくは話しませんが、いくつかありました。
-ウォンビンさんがアイデアを出したシーンもあったとか?
ウォンビン/そこまで深く考えたことがなかったのですが、母親の愛情がどんどん大きくなってしまう、そうなるとどうなっえいくのかに結び付いていると思います。トジュンを演じるにあたっては自分の母親におきかえて考えるようなことはせず、ひたすら劇中の母親のことを思って演じていました。
-三十代を迎え、俳優としての心境に変化はありましたか?
ウォンビン/年月を重ねることによって、外見も内面も変わってきたと思います。とりわけ大きな変化としては、以前よりも気持ちに余裕が出てきたことですね。二十代の頃は頑張りすぎてかたくなってしまうときもありましたが、今は少し肩の力が抜け、少し余裕を持って演技ができるようになった気がします。